高砂市南側に位置する、海にほど近い住宅地に建てる計画。すぐ近くを山陽新幹線が走り、周囲は建物が建て込んでいる。クライアントの要望の中で最も特徴的だったのが「蛇籠を使うこと」。蛇籠とは、河川の護岸工事などで使われる事の多い、通常は土木関係で用いられる工法のひとつである。私たちが提案した案のうち、最も大胆に蛇籠を使用した案が採用となった。ファサードに幅5.5m、高さ3.5mの蛇籠を出現させる案である。本計画では眺望は諦め、内部につくり出した世界を最大限楽しむ。部屋の中は比較的暗く抑えトーンを落とし蛇籠を含む中庭が際立つようにしてある逆に中庭に立ち和室側を見ると、暗めの空間を経て地窓のFIXからキリシマツツジの鮮烈な赤が控えめに目に入り込んでくる。本計画は一見大胆な思い切った計画であるが、実際にはむしろ非常に落ち着きのある何とも居心地の良い家になったと思う。
(マニエラ在籍時担当物件)

所在地 / 兵庫県
規模構造 / 木造、地上2階
主要用途 / 専用住宅(夫婦+子供1人)
敷地面積 / 190.65㎡(57.67坪)
建築面積 / 81.99㎡(24.80坪)
延床面積 / 131.33㎡(39.72坪)
構造設計 / うきょう建築構造事務所
施工 / アトリエ・エイト
造園工事 / 宝塚造園
写真 / 喜多章
掲載誌他
MODERN LIVING no.222

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