明石海峡大橋を望む、海沿いに建つ築約50年のマンション最上階の改修。
海が見える開放的なロケーションではありますが60㎡弱と広くはなく、天井の高さも既存の状態では2.3m、さらに2本大きな梁も部屋の真ん中に出てきていて、少し圧迫感のある状態でした。既存構造壁の位置の関係で浴室や洗面、トイレ、キッチンの場所はあまり変えられず、その制約の中で空間を生まれ変わらせることを考え設計しています。
個室を望まれなかったので水回り以外は壁で仕切る必要がなく、廊下側玄関横にあるウォークインクローゼットは高さ2mの壁で囲いましたが、天井付近は開放されている状態です。
2.3mだった天井は作り替えて限界の2.4mを確保し、天井の2本の既存梁どうしの間は天井を下げて大きく隠し、段差に間接照明を設けてすっきりと整えています。
キッチンや壁面の棚、机、テレビ棚はすべてこの家のためのオリジナルで、天井や床と同じホワイトオーク材で作ってあります。壁は左官材で仕上げ、家全体に手触りのある素材を使うことでくつろげる空間になったのではないかと思います。
海を眺めながら食事や仕事をし、眠りにつく。この家にはとても穏やかな時間が流れています。
所在地 / 兵庫県
規模構造 / 7階RC造の7階
主要用途 / 住宅
延床面積 / 56.70㎡(17.15坪)
施工 / 匠建築工房
写真 / 大竹央祐
© noma-kuwaharaarchitects